希望の色に染まらないのですが
希望の色にどうしても染まらないのですが、どうしてでしょうか!? | ||
同じ薬液を使用しても髪によって違った染まり上がりになったりします。髪の性質と薬剤の作用を理解されてはいかがでしょうか。 |
他でも説明させて頂いていますが、薬を使う際、一番大切なのは『合った薬を選ぶこと!』となります。風邪薬に例えるならご自分の体質、風邪のウイルスに合った薬ということなり、それを処方してもらうということとなります。では、ヘアカラーの場合、合った薬とはどういうことなのか!?を説明します。
まず、髪の色について説明しましょう。 ヘアカラーの種類でも説明させて頂いていますが、髪の構造は左図のようになっています。そしてキューティクルは透明、毛皮質に混在するメラニンによって髪の色になっています。このメラニンにはユーメラニンといわれる褐色の粒、フェオメラニンという赤と黄の混合によって成り立っていて顔が違うように人、それぞれ、千差万別に違っています。 |
次に一般的に現在一番多く使われているのはアルカリ酸化染料と言われるのですがそれを髪に塗布することによりどのように作用→髪に変化を起こさせるのかを説明します。
★通常、カラー剤は一剤とニ剤に分かれています。一剤に染料となる無色のジアミン、人気の微妙な色を出す為の5~6色を混ぜ合わせることによって造られる調色剤、アンモニア等のアルカリ剤、トリートメント剤、またニ剤に酸化作用を起こさせるOX=過酸化水素が基本となっています。 |
★ニ剤はドンドン作用が進んでしまわないように酸性にしてありますから、混合することによって作用が始まるように造られています。混合したものを髪に塗りますと上図のようにアルカリ剤がキューティクルを開かせることにより、染料、酸化剤が毛皮質の中に入っていきます。 |
★酸化剤がその人の持つ上記のメラニン色素を壊し、小さくしてくれることにより髪の色が明るく=ブリーチされていきます。 |
★また同時に酸化剤が無色だった染料に作用することによって希望の色へと変化することにより、色素が大きくなりキュウティクルの隙間から出られなくなります。 |
次に上、二段の髪のメラニン色素を壊し染料が変化=重合する関係を説明します。最近はホームカラー剤の中にもサロン専用カラーのように表示には8/4のようになっていますがこの場合だと8レベルの明るさで4の色調となったりします。どのような明るさになり=明度、どんな色なるのか=色調を示しています。 明るさは1~20までに分けてあり、1が黒~白髪=白が20と決められています。標準的な日本人の髪の色は黒ではなく上記、混合ですから4といわれ、ブリーチ剤で15か16まで脱色出来るといわれています。(4時間も放置し、それ以上に脱色する人もいますが) この場合で右側の4を赤系とするなら赤の色素を加えると髪の色は暗くなりますから、8レベル程度にブリーチして赤く変化させるのではありません。メーカーによっての違いはありますが、10以上に明るく=ブリーチしておいて赤を加えても8レベルの明るさに仕上がる(本当は赤にする場合、赤色色素を加えるのではないのですが)。グリーン系=マットのように寒色の暗い色だと同じ8レベルでも赤系以上にブリーチしておいて・・・となりますから選択も難しくなりますし、それなりの髪の傷みも理解しないといけないことにもなります。 |
また、最初に髪の色はメラニンの混合と説明しましたようにカラー剤もメラニン色素を小さくし、明るくした色やカラー剤の色素が変化した染料の混合で創られることを理解してください。 紙に絵の具で色を付けることやカラースプレーを吹き付けるような下地の色を完全に被服・隠蔽する(隠すこと)は出来ない! また左図のように元々の髪の色素に赤の多い髪質の場合は黄を加えることによってオレンジ系にしたり、アッシュにしたい場合はグリーンを加えるという色の原則を理解されることも重要です。 |
髪を一番傷めるのは酸化作用と言われます。 それはメラニン色素を脱色するブリーチであり、綺麗な色を出す為の作用となります。 長所・短所の一体となったもので髪の変化を楽しむのですから、アッシュやマット等の微妙な色、また鮮やかな色を楽しむには合った薬を正しく使いましょう! |