カラーなどで傷んだ髪は治せないのですか?
ヘアカラーとパーマの繰り返しで傷んだ髪を治せないですか? | ||
髪には修復機能がありませんから、<治る>ということはないのですが、傷み進行をストップさせたり、ツヤ、手触りを良くする事はできます。日頃、お手入れをされる方法とサロンでしてもらわれる方法に分けて説明します。 |
現在のようにセット剤をつけて仕上げる傾向が強かったり、黒い髪を明るく軽く見せたい願望が強いというかマスコミで【それがおしゃれ!】と取り上げられてるからと<美しさの基準>も数年前とは違ってしまうというのはどうでしょう!?傷んだ髪をマットっぽく仕上げるのを否定する訳ではありませんが、理美容師の仕事の最終目標が清潔な、そして美的見地からスタイル、個性、服飾に合ったスタイルを創り上げることとするなら、素材としての髪を傷めないこととか少なくともその知識は持ち合わせないといけないのではないでしょうか?とかく格好にとらわれたり(流行のカットテクニック)ブームで消費者に受け入れられ易いからだけで選択してるプロが少なくないのじゃないでしょうか?(無免許(^_^;))傷んでいない髪の美しさを知らなかったり、どういう事が髪を傷めるのか理美容師で知らない様ではやはり困るでしょう。髪の傷みにつきましては前の項でも説明しましたから、ここではトリートメントの説明をします。
まず、“美しい髪”とは自然のツヤがあって、しなやかで枝毛のないということになります。これは理美容師側の知識も当然ながら、あまりにも色んな選択肢が多過ぎたり、情報操作が多く知識の整理のついてない方に理解度を上げて頂き、普段のヘアケアにも気をつけて頂かないといけないケースもあるでしょう。なかなかマインドコントールされてしまったものを1度にご理解頂けることは難しいでしょうが説明不足の部分はご質問頂けましたら合わせて説明いたします。では重複となりますが傷みを分けますと物理的な原因と化学的な原因がありました。
物理的とは機械的な刺激(ブラッシングや逆毛)や熱などによるもので主として形態的な変化を与えます。 また化学的がパーマやヘアカラーのように毛髪成分に化学変化を与え質的損傷を起こす場合ですが、両者相まって気付かないと両方となってしまいます。
- 形態的損傷
- 質的損傷
- その両方↓順に下の写真
となります。
[形態的損傷]とはキューティクルが剥離してたり髪表面にちりめん皺ができたり、あるいは傷、裂毛、枝毛と見た感じや感触が悪くなった状態です。また
[質的損傷]が髪の水分量が低下したり間充物質流失で質が低下しスタイルが持たない状態ですが傷みのウエイトとすると低くみられてしまいます。でも細い髪の方や傷み易い髪の方には大問題で理解は重要です。
これよりケア方法を説明をしますと
- 自然なツヤをだすためには皮脂成分に近い組成の油脂類を配合し
- しなやかさを出す為にはケラチンに柔軟性を与える界面活性剤と保湿剤を使用し
- さらに枝毛を予防する為には毛髪成分、得に間充物質の代用となるタンパク質分解物(PPT他)を添加して調整されたもの
を使用されることとなりますが1と3はプロの技術的処理として別々に使用した方が効果が上がります。3についてはPPT単独の商品も発売されています。また1については下に表にしてあります。
本来トリートメント剤は損傷毛を修復させる為に使用するものではなく日頃の手入れの中でも傷める要素はありますから保護の為、使用して頂きたいもので毎日のお化粧の後、肌を基礎化粧で手入れされるのと同じ気持ちで使って欲しいものですが、まずご家庭でできるものとしましてもスキャルプ(地肌)とヘア(髪)に分かれます。スキャルプはあまり必要ありませんからここではヘア!
ヘアトリートメント剤をヘアコンディショナーと呼ぶこともあります。油性物質や上記のタンパク質(PPT・アミノ酸)その他、保湿剤のほか陽イオン界面活性剤(第4級アンモニウム塩他)が使われています。他に髪を柔軟にするため粘液質や紫外線から保護する為紫外線吸収剤が配合されてる場合もあります。また枝毛防止目的とし、シリコンが入っているものがあります。これは継続して使用すると髪の表面がしだいにシリコンの薄い膜におおわれる。ブラッシングの摩擦やドライヤーの熱から保護するためスプレータイプとなってるものもあります。またハイドロケラチンをドライヤーの熱で髪に固着させると人気商品になったものもありました。簡単ですが大体、この程度の種類ですから色んなものをドレッサーの前に買って並べるだけではなく、不要なものは薦められても買わない!納得したものは継続して使いきってください。(^_^)
以下、プロの話となりますが、髪に自然のツヤを出す油脂分ですがヘアクリームと違って髪に浸透させた後、洗いおとす。吸着残存量が多く、あまり髪を重くしないものでないといけないでしょう。当然浸透性を高める訳ですからスチーミングしないと意味がないのですが某油脂研究所のデータを紹介します。オイル成分1%を乳化剤0.5%を使用して乳液をつくりこれに髪を3分間浸漬した後プレーンリンス、乾燥して吸着量を測定したものです。
油脂の種類 | 吸着量 | |
流動パラフィン | 13 | 鉱物性液体でやや粘性あり |
スクワラン | 14 | サメ肝油に水素添加、軽く粘性はない |
セタノール | 20 | 高級アルコール、常温で固定、ロウ状融点49度 |
ラノリン | 18 | 羊毛脂、粘着性の半流動性 |
蜜ロウ | 23 | 蜜蜂の分泌物、融点62~65度 |
ステアリン酸 | 19 | 牛脂又は植物油から分離、精製、結晶、融点69度 |
I.P.M (イソプロピルミリステート) |
26 | ミリスチン酸とイソプロピルアルコールから合成、軽い粘度のない液体 |
この他PPTの分子量の違いによって間充物質の補強をしたり髪にハリ、コシを出すことを目的としたトリートメントもあります。何故、このようなことを転載させて頂くかといいますと当然、理美容師でも初級の方達はこのようなことをご存知ないかと思います。また、日頃の担当客の髪を見てても疑問を感じることがあり講習にでたりもあるでしょう。しかし、ここで判断がつかないのに言葉巧みにセットで購入させようとするところがあったりアクセスの多いサイトの掲示板で<正しい○○方>なんて質問に答えてる中に嘘ばかり多いからです。 シャンプーの見分け方でも説明させて頂きましたが、このようなデータもオープンにし、効果の高く持続するメーカーもありますから、見分ける目安として頂けたらと思います。具体的にオープンに出来ない部分で疑問のある方はご質問下さい。
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