肌のかゆみ(冬)

2015年6月24日

qa 紫ボール 冬、肌がかゆくなりやすいんですが?
紫ボール 最近、乾燥時期に肌がかゆくなる(虫さされや発疹・アレルギー以外)という人が性別・年齢を問わず増えているようですが、これが体質というより、実はある生活習慣が7割の人の原因になっているのだそうです。
この生活習慣というのが入浴で 洗いすぎ症候群と分類されるそうですが、 洗い方と後の手入れの仕方に違いが出てくるようです。皮膚疾患でも洗ってはいけないものは少ないと言われるくらい洗うということは基本となるものなのですが、やはり、誤解も多いようですし、 化粧品の見分け方・効果的な使い方につながります。健康できれいな肌を保つことに良い例になりますから、原因・手順・対処法を挙げてみます。

●かゆみのメカニズム
まず、健康な皮膚の場合、神経細胞の末端は真皮と表皮の境あたりにあります。
このかゆみのメカニズムもかなり、解明されてきていて、この程、九州大学医学部で
真皮にあるマスト細胞がかゆみの元となるヒスタミンをいっぱい蓄えていて刺激を受けると放出し、これが神経細胞に触れるとかゆくなるということをつきとめて頂けたのだそうです。人の体は健康に保てるよう、幾つもののシステムで守られてるのですが、皮脂膜・角質・水分量というのも この刺激が伝わるということのバリアという働きもしていてくれます。
ですから、入浴でバリアが壊れ、肌を壊すということを気を付けなければいけないことになるのですが 図式にしますと

風呂
ダウンdown
洗 い す ぎ
ダウンdown
肌 が 乾 燥
ダウンdownアップup
肌 が こ わ れ る
かゆい

となりますが、では個々にどのようなことに気をつければ、良いかに触れます。
●入浴
熱めが好きとか、ゆっくり入りたいとか好みで構いませんが、洗いすぎない様にするにはどうすれば、良いのでしょうか?
まず、洗物をする場合でもお湯を使った場合は手がカサカサになりますよね。
熱いお湯や長湯はそれだけでも脱脂力(皮脂膜が無くなる)が強くなります。
さらに角質は皮膚の一番表面にありますから、水を吸収したり失ったりしやすい性質があります。
角質がいっぱいに水分を吸収した状態を肌がふやけたと表現されますが、垢すりでも解る様に簡単に剥がれやすくなります。
ですから、洗う際、角質を剥がさない様、気をつけなければなりません。
また、入浴剤を使うとお湯が柔らかくなると言われますが、入浴剤も大別しますと保湿目的のものと保温目的のものになります。これは勿論、表示してありますのでこの場合は保湿が適します。
●洗い方
先ほど、刺激が伝わるバリアという働きを紹介しましたが、皮脂には細菌の進入を防ぐ役割もあります。ですから、皮膚表面のPHが弱酸性になっています。
お湯につかるだけでも汚れは落ちてしまったような状態になっているんですが、石けんを使わないと洗った気がしないという方にどういう洗剤が良いのでしょうか?
本来、健康な皮膚は皮脂が無くなっても数十分もすれば、皮脂がでて皮脂膜も形成されるのですが、皮脂が出ずらいという方には最近は弱酸性というものも発売されていますから、やはりその方がやさしいでしょう。
次に洗い方ですが、剥がれやすくなっている角質に気を付けなくてはいけません。
ですから垢すりに使うようなナイロン製などのタオルや硬い物・ブラシなどは使わず、手や、お肌にやさしい素材のものでやさしくなでるように洗ってください。肌の弱い方はむしろ、スポンジ等を使い、十分泡立てた泡を手にとり、泡で皮膚を撫でる様にして頂く事がベターです。これで除菌も十分に行われますし、普通の汚れは充分に落ちるのです。

以上のようなことに気を付けて頂きますと痒くならない人の皮膚のようにお風呂上りにも肌のキメが残るようになります。これが表の肌をこわさないということにもつながっていきます。
●スキンケア
この状態でも先ほどの例に挙げました様に洗物にお湯を使った場合に手がカサカサになるような現象やお風呂上りに痒くなる方はあります。冬の乾燥した空気や暖房のために角質の水分が蒸発しやすい状態になってしまい、お肌が乾燥した状態になるわけです。また、先程も紹介した

皮脂腺から出る皮脂と汗腺から出る水分(汗)で出来る皮脂膜が弱酸性の天然クリームのように肌を守っているのですが、この皮脂膜も体質的に皮脂が出ずらい方は皮膚の乾燥に負けてしまいます。そのような場合は角質の水分が失われないうちに保湿クリームやボディオイル・ローションで代用してください。

また、襟がチクチクするという様な場合は首にスカーフを巻いて頂いたり、シャツの縫い目は裏返して着て頂くことも効果的です。


以上のことに気を付けて頂きましても、すでに掻いた事によって角質が剥がれてしまっていたりしますと表皮の再生には28日、要します。湿度も上がり、数日でかゆくなくなる方もあるでしょうし、2~3週間必要とする個人差があるかもしれません。何故、掻いちゃ駄目と言われるのかですとか、最近は古い角質を取り除き美白な肌とCMされますことの無意味・また、かかとやたこ以外の角質除去(垢すり)が良くないとも解っていただける事じゃないでしょうか。

ネット診断にも専門化が加わって頂けるようになってきましたから、刺激が起こす症状やアレルギーを
経口と経皮を混同させて脅かす様な情報を流す人が少なくなってくれる事を望みたいのですが、何より正しい判断が出来るようになる事が大切だと思います。

合成だからですとか、粗悪ではなく目的や肌・体質に合うということが大切になってきますし安心して相談できるということも大切じゃないでしょうか。

Posted by koasa