ヘアカラーの違い

2015年6月23日

qa 紫ボール ヘアカラーの種類と傷み・かぶれについて教えてください。
紫ボール 薬事法による分類と機能的に分けたものがありますが、誤解の多い分野です。更にかぶれについても合成だから危なくて植物だから安全なんてマスコミでも放送されたりしますからご注意ください。

まず、薬事法によって化粧品医薬部外品に分けられます。化粧品は髪の色を変えることによって、あくまでも皮膚に対する作用のないことを目指したカラーリンス、カラースプレーといったもの。医薬部外品は皮膚に対する作用が多少あっても髪の色を変える効果を主眼とするヘアダイに代表されるものとなります。また、機能的分類というのはシャンプーによって簡単に色落ちてしまう一時染毛剤、長期間、色落ちしない永久染毛剤、そして化粧品でありながらやや長期間色落ちしないヘア・マニキュアの半永久染毛剤と分類するようになりました。図にしますと
一時染毛剤 半永久染毛剤 永久染毛剤
カラーリンス( カラースプレー( ヘアダイ(
カラークリーム( 酸性ヘアカラー( 金属性染毛剤()等=化粧品
=医薬部外品
カラークレヨン( 酸性ヘアダイ()等
ヘアペンシル(
ファッション
カラースプレー()等

となります。また、色素が髪に付着なり、浸透する状態を図にしますと
酸化染毛剤の作用イメージ
染毛剤の作用イメージ図
ここでよく混同されるのが、酸性カラー(染毛料)と酸性系酸化染毛剤です。酸性カラーとはヘア・マニキュアとお馴染みになっているもので名前はよく似ていますが、分けて考えないといけません。酸性カラーのほうはかぶれも起こしませんし、髪も傷めません。また欠点としますと肌についても落ちなくなりますから、市販の製品には色素の含有量を少なくしてありますが、サロン品は髪への浸透性を良くするなど処方面が改良され、色落ちもなくなってきています。 酸性色素を使用し、毛の成分でもあるタンパク質がもっているアミノ基-NH2に塩結合させ、単に塗り付けた場合とは違って簡単には色落ちしなくなっているのです。また酸性系酸化染毛剤も改良され色持ちは良くなっているのですが、アルカリ性染毛剤と同じく重化合物で染まるようになっていますのでパッチ・テストをしなくてはいけません。また、かぶれについてはパッチテストの項アレルギーの項で説明しますが、オウムのやらせで問題を起こしたTV局でも「合成でハゲてヘナが良い」なんて訳の解らない番組を放送したりしました。当然、何回も説明を求める抗議をしましたが制作担当者が居留守を使う有様。植物でもアレルギーを起こすことは誰でも知ってるのに情けない話です。また<傷み>に関してはブリーチにも使う2剤過酸化水素の酸化作用によるものなのですが、傷めないとは言えないものです。しかし、実際には白髪が気になり4~5日に1度、染める人もいるくらいですので使い方次第ともいえます。

豆知識
酸化染毛剤はかぶれの注意をしなくてはいけませんが、安全性と混同している人がいます。かぶれは安全とは別問題で極、稀に安全なものにでも反応を起こす体質の人がいるということです。
現在のようにカラーを楽しむ傾向にある中、ブリーチを繰り返したから単に傷んでるというのではなく化学変化を理解した科学的な知識を基に薬を使いこなし、デザイン、テクニックを合わせてこそ、新しいアイデアの元になります。

Posted by koasa